2018年12月7日に「TAKUMI JAPAN」から発売された翻訳機「KAZUNA eTalk5」(カズナ・イートークファイブ)。
イメージキャラクターに出川哲朗さんを起用した、「リアルガチ翻訳機」というキャッチコピーのインパクトがスゴイ!
翻訳機業界でトップを走る「ポケトーク」に真っ向勝負を挑んできた感がありますが、果たしてその実力はどれほどのものなんでしょうか?
今回トライ翻訳機では、TAKUMI JAPAN様からeTalk5をレンタル提供いただくことができましたので、eTalk5の特長や、実際にeTalk5を使ってみて分かった特徴や注意点などをレビューします。
KAZUNA eTalk5とは?
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
KAZUNA eTalk5は、「TAKUMI JAPAN株式会社※」が販売する音声翻訳機です。
音声翻訳機とは、こちらの話した言葉を外国語に翻訳し、音声(やテキスト)で相手に伝えてくれる翻訳機のこと。
eTalk5は双方向翻訳に対応しているので、日本語を外国語に翻訳することも、外国語を日本語に翻訳することも可能。
海外旅行時、またはインバウンド(外国から日本への旅行者)対応時に外国人と会話をするのに役立ちます。
※「TAKUMI JAPAN」は携帯電話端末会社「フリーテル」の創業者として有名な増田薫さんが取締役を務める会社です
eTalk5の外観とサイズ
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
eTalk5の本体カラーはブラックとシャンパンゴールドの2種類。
見た目は、ほぼスマホそのもの。スマホに3つボタンがついたという感じです。
左右のマイクのイラストがついたボタンが翻訳ボタンです。このボタンを押しながら話すことで、話した言葉を外国語に翻訳してくれます。そして、中央の丸いボタンが「戻る」ボタンです。(決定ボタンではありません)
ボタンの下にマイクが配置されています。マイクはノイズキャンセリング機能付きなので、雑音の中でも音声をしっかり聞き取ってくれます。
画面サイズは3.5インチでiPhoneSEの画面(4インチ)よりもちょっと小さい程度。翻訳機の画面としてはかなり大きめで見やすいです。
画面をスクロールすることで、翻訳履歴を確認することができます。
右側面に、電源ボタンと音量調節ボタンがあります。
左側面にSIMスロット。SIMサイズはMicroSIMです。
翻訳機としては珍しく、背面にはカメラを備えています。これにより「撮って翻訳」が利用できます。(詳細は後述)
上部にはスピーカーとイヤホンジャック、またストラップホールもあり。ストラップがつけられるので、海外旅行時などは首にかけておけば使いたいときにすぐに使うことができ、盗難防止にもなります。
本体下部にある充電端子はUSB Type-Cなので、充電ケーブル接続時に上下の向きを気にする必要はありません。
eTalk5はBluetoothにも対応しているので、外部スピーカーなどにBluetooth接続することも可能です。
本体サイズ
eTalk5の本体サイズは、現在発売されている翻訳機の中ではかなり大きめの部類に入ります。iPhone7と大きさを比較してみました。
iPhone7と比較してもそれほど大きさが変わりません。
ライバルの翻訳機、「ポケトークW」と「ili」とも大きさを比較してみました。
eTalk5の大きさがよく分かると思います。
主要翻訳機のサイズ比較表
翻訳機 | 縦 | 幅 | 厚さ | 重量 |
eTalk 5 | 127.8mm | 59mm | 11mm | 123g |
ポケトークW | 110mm | 59.8mm | 15.8mm | 100g |
ili | 120mm | 30mm | 15mm | 42g |
iPhone7(参考) | 138.3mm | 67.1mm | 7.1mm | 138g |
eTalk5のサイズ、重量はiPhone7などのスマホのサイズとあまり変わりません。
eTalk5を携帯する際は、スマホやガラケーに加えてもう1台スマホ(eTalk5)を持つような感覚なので、他の翻訳機よりも少しかさばる印象があります。
eTalk5の特徴的な機能
以下5つが、eTalk 5の特徴的な機能です。
- オフライン翻訳も可能(しゃべって翻訳)
- 撮って翻訳機能
- チャット翻訳機能
- WiFiテザリング機能
- 世界143の国や地域で使える
オフライン翻訳も可能(しゃべって翻訳)
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
eTalk5の「しゃべって翻訳」では、音声翻訳機能を使うことができます。
音声翻訳機能とは「話した言葉を別の言語に音声とテキストで翻訳してくれる」機能で、どの音声翻訳機にも当たり前に備わっている機能ですが、eTalk5がすごいのは、オフラインでも翻訳ができるところ。
ポケトークWを含む大抵の翻訳機では、インターネットに接続していなければ翻訳自体することができませんが、eTalk5ならインターネットに接続されていなくても翻訳ができます。
「しゃべって翻訳」の画面で画面を指で左にスワイプすると、オフライン翻訳が利用できます。
ただし、オフライン翻訳の場合は対応言語が限られ、翻訳精度も下がります。


撮って翻訳機能
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
「撮って翻訳」とは、いわゆる「カメラ翻訳」機能。
カメラ翻訳とは、カメラで撮影した画像の中に含まれているテキストを、別の言語にテキストで変換してくれる機能です。
翻訳したいテキストの写真を撮ると…(範囲を指定することも可能)
写真の中に含まれているテキストを設定した言語に翻訳してくれます。
Google翻訳などスマホの翻訳アプリには標準的に備わっている機能ですが、一般的な翻訳機でこの「カメラ翻訳」機能を備えているものは多くありません。(カメラを搭載する必要があるため)
スマホを持っていない方には便利な機能です。


チャット翻訳機能
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
チャット翻訳機能は、eTalk5で話した内容の音声が相手の持っているeTalk5に送信され、翻訳結果もテキストや音声で相手に伝わるという機能です。
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
チャット翻訳機能を使うには、それぞれがeTalk5を持っている必要がありますが、この機能を利用すれば海外など離れたところにいる複数の相手と会話をすることができます。
ビジネスなどで利用する場合に役立つ機能かもしれません。
WiFiテザリング機能
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
eTalk5はWiFiテザリング機能も備えていますので、SIMカードを入れれば「モバイルルーター」代わりに利用することもできます。
WiFi環境がない場所でも、SIMを挿入したeTalk5でスマホやPCをテザリングしてネットに接続することができるのは助かりますね。
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
ただし、テザリングにはバッテリーを多く消費しますので、長時間使用すると肝心の翻訳機能を使いたいときにバッテリーがなくなっていて使えないということになる可能性もあります。
外出先でインターネットに接続したいとき、応急処置的にeTalk5でテザリングをする、という使い方ならできそうです。
※eTalk5とセットで購入できる翻訳専用グローバルSIMの通信容量は2年間で翻訳10万秒分だけ(=28時間弱)です。(具体的な通信容量は公開されていません)そのため、eTalk5の翻訳専用グローバルSIMでテザリングをすることはおすすめしません。(すぐに通信容量がなくなってしまう可能性があります)
世界143の国と地域で使える(専用グローバルSIM)
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
eTalk5は本体のみの場合税込24,880円(税抜)、2年間使える翻訳専用グローバルSIMとセットの場合29,880円(税抜)で購入できます。
つまり、翻訳専用グローバルSIMを2年間5,000円(税抜)で契約できる、ということです。
この「翻訳専用グローバルSIM」は、これ1つで世界143の国と地域でLTE通信または3G通信が使えるSIMカードです。海外旅行で利用する際も、設定不要で自動的に渡航先の電波につながり利用できます。
ライバルの翻訳機「ポケトークW」で利用されているグローバルSIMは、世界126の国や地域で使えるSIMなので、eTalk5の方がより多くの場所で使えることになります。
世界中の様々な場所で通信ができるSIMカードが5,000円、月々で換算すると208円程度で使えるのはかなりお得です!
本体と翻訳専用グローバルSIMをセットで購入した場合、SIMは本体にセットされ、初期設定(APN設定)も済んだ状態で送られてきますので、開封して電源をONにすればすぐ利用開始できます。

※eTalk5はSIMフリーなので、専用グローバルSIMに限らず様々な通信会社のSIMを入れて利用することもできます。また、先にeTalk5のみ購入し、後から翻訳専用グローバルSIMを追加で購入することも可能です。
eTalk5の翻訳精度をポケトークWと比較
音声翻訳機は、外国人と会話をするための機器です。
いくらeTalk5では様々な機能が使えると言っても、肝心の翻訳精度(翻訳の正確さ・適切さ)が低くては使い物になりません。
そこで、eTalk5の翻訳精度がどれほどのレベルなのか、翻訳精度No.1の「ポケトークW」と比較検証してみました!
以下の規準でeTalk5とポケトークWの翻訳結果を採点し、合計点を比較します。
▼採点基準
5点 |
完璧な翻訳。意味が通じ、なめらかで自然な文章になっている。 |
4点 |
多少不自然な点はあるものの、意味はしっかり通じる。 |
3点 |
なんとか全体の意味が理解できる |
2点 |
意味が分かりにくい、一部しか理解できない |
1点 |
意味が分からない |
0点 | そもそも翻訳できない |
※採点は当サイト独自の規準です。
※例文と翻訳者による翻訳結果は、JTBパブリッシング発行「ひとり歩きの会話集 英語」、「ひとり歩きの会話集 中国語」から引用させていただきました。
日本語→英語の翻訳精度を比較
1.デルタ航空3便ロサンゼルス行きのお客様はただいまより搭乗を開始いたします。
翻訳者による翻訳Departing passengers on Delta Airlines Flight 003 for Los Angeles are now boarding.
ポケトークWCustomers on Delta 3 flights to Los Angeles will start bording now.
デルタ航空3便ロサンゼルス行きのお客様はただいまより搭乗を開始いたします。 5点
eTalk 5Customers on Delta 3 flights to Los Angeles will start bording now.
デルタ航空3便ロサンゼルス行きのお客様はただいまより搭乗を開始いたします。 5点
eTalk 5オフラインDelta Airlines, three-wheeled passengers to Los Angeles.
デルタ航空三輪のお客様はロサンゼルス行き 1点
評価
eTalk5・ポケトークWとも全く同じ翻訳結果で、内容も正確です。
eTalk5のオフライン翻訳の場合は、そもそも音声認識がうまくいかず、「デルタ航空三輪ロサンゼルス行きの客様わただいまより搭乗回したします」と認識されたので、かなりめちゃくちゃな翻訳結果です。
2.ゴルフをしたいのですが、近くに適当なコースはありますか?
翻訳者による翻訳I’d like to play golf. Are there any golf courses around here?
ポケトークWI would like to play golf, but is there a suitable course nearby?
ゴルフをしたいです。でも近くに適当なコースはありますか? 4点
I would like to play golf, but is there a suitable course nearby?
ゴルフをしたいです。でも近くに適当なコースはありますか? 4点
eTalk 5オフラインI would like to play golf, but is there a suitable cos nearby?
ゴルフをしたいです。でも近くに適当なコスはありますか?2点
評価
こちらもeTalk5・ポケトークWとも全く同じ翻訳結果で、”ゴルフをしたいのですが”という部分を「ゴルフをしたいんだけど、でも…」のような意味ととらえて翻訳してしまったようです。
eTalk5のオフライン翻訳の場合は、そもそも音声認識がうまくいかず、「ゴルフしたいのですが近くに適当なコスありますか」と認識されてしまいました。その割には比較的正確に翻訳されましたが、コースが「コス」になってしまい伝わらない可能性が高いので2点です。
日本語→中国語の翻訳精度を比較
1.中国国際航空1209便西安行きのお客様はただ今より搭乗を開始いたします
翻訳者による翻訳乘坐飞往西安的中国国际航空1209航班的旅客,现在开始登机了。
ポケトークW去往西安中国国际航空一千二百零九航班的乘客现在开始登机。
中国国際航空1209便西安行きのお客様はただいまより搭乗を開始します。 5点
eTalk 5中国国际航空1209次飞往西安的乘客现在开始登机。
中国国際航空1209便西安行きのお客様はただいまより搭乗を開始します。 5点
eTalk 5オフライン中国国际航空公司1200家工作和平昨天的客户比现在多!
中国国際航空1,200の仕事昨日の平和取引先は現在より多い! 1点
評価
ポケトークW、eTalk5で表現は若干違いますが、どちらも意味が正確に伝わる完璧な翻訳結果です。
eTalk5のオフライン翻訳の場合は、そもそも音声認識がうまくいかず、「中国 国際航空1200求人 平安昨日客様はただいまより登場回したします」と認識されたので、めちゃくちゃな翻訳結果で全く意味が分かりません。
2.8時に予約した佐藤です。すみません、予約を取り消したいのですが。
翻訳者による翻訳我叫佐藤,八点订了做。对不起,我想取消预订。
ポケトークW我想取消预订八点的佐藤预订的预订。
わたしは予約を取り消したい8時の佐藤の予約した予約を。 3点
eTalk 5我是八点预约的佐藤,不好意思,我想取消预约。
わたしは8時に予約した佐藤です。すみません、予約を取り消したいです。 5点
eTalk 5オフライン对不起,我在8点九订完了,该取消预订了。
すみません、わたしは8時9分に予約しました。予約をキャンセルします 3点
評価
ポケトークWの翻訳結果には「予約」という言葉が何度も出てきて分かりにくく、「すみません」という日本語も翻訳されていませんが、なんとか全体の意味が理解できますのでおまけで3点としました。一方eTalk5はほぼ完ぺきな翻訳結果で5点満点です。
eTalk5のオフライン翻訳の場合は、やはり音声認識がうまくいかず、「8時に予約した外ですみません予約を取り消すタイムですが」と認識されてしまいました。その割には比較的正確に翻訳されましたが、かなり分かりにくいので3点です。
翻訳精度検証まとめ
eTalk 5とポケトークWの翻訳精度を比較した結果、採点は以下のようになりました▼
ポケトークW | eTalk 5 | eTalk 5オフライン | |
英語のフレーズ① | 5点 | 5点 | 1点 |
英語のフレーズ② | 4点 | 4点 | 2点 |
中国語のフレーズ① | 5点 | 5点 | 1点 |
中国語のフレーズ② | 3点 | 5点 | 3点 |
合計点 | 17点 | 19点 | 7点 |
ポケトークWは17点、eTalk5は19点と、eTalk5の方が高い点数になりました!翻訳機界No.1を誇るポケトークWの翻訳精度をeTalk5の翻訳精度が上回るという結果です。
もちろん、2言語を2文ずつしか翻訳していませんので、この結果だけで両社の翻訳精度を判断することはできませんが、eTalk5の翻訳精度はかなり高いと言っていいと思います。
一方、eTalk5のオフライン翻訳は、音声認識性能がオンラインと比較して著しく低くなるため、話した言葉を正しく認識してくれません。翻訳精度を評価する以前の問題です。
eTalk5のオフライン翻訳にはあまり期待せず、どうしてもネットに繋がらない場合だけ簡単な言葉を翻訳する程度の使い方にとどめておくのがいいでしょう。
※ちなみに、日本語→英語の翻訳ではeTalk5もポケトークWも全く同じ翻訳結果になりました。どうやら日本語→英語の翻訳にはどちらも同じ翻訳エンジンを使っているようです。(おそらくGoogle翻訳。eTalk5は翻訳エンジンの情報を一般公開していません)
一方、日本語→中国語の翻訳では両者の翻訳結果は大きく異なっていますので、別の翻訳エンジンを利用しているようです。
eTalk5の特長
ここでは、他の翻訳機と比較したeTalk5の特長(メリット)をご紹介します。
eTalk5の特長は以下4点です。
- カメラ翻訳ができる
- 翻訳言語数が多い
- 学習にも使いやすい(CSV出力機能)
- 詳しい説明書付き

カメラ翻訳ができる
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
eTalk5が他の翻訳機と比較して一番違っている部分は、「カメラ翻訳」ができるところです。(※カメラ翻訳について詳しくはこちら)
カメラ翻訳機能は「Google翻訳」など大抵のスマホ翻訳アプリに標準装備されているので、スマホを持っている方にはあまり必要ない機能ですが、スマホを持っていない方はカメラ翻訳ができると便利な場面も出てくると思います。
例えば、海外旅行でレストランに入った場合、外国語で描かれているメニュー表を翻訳して内容を理解する場合に役立ちます。
カメラ翻訳機能がない翻訳機の場合は、翻訳機を使って「わたしは~語が読めません。これは翻訳機です。メニューの説明をしてください」などと店員さんに伝えて、店員さんにも翻訳機を使って説明してもらう必要がありますので、この点はeTalk5のメリットです。
スマホがあればカメラ翻訳機能は必要ない?
ポケトークWなど、現在販売されている多くの翻訳機には、カメラ翻訳機能は付いていません。
カメラ翻訳機能を備えている翻訳機は、「KAZUNA eTalk 5」と富士通の「arrows hello」など少数です。
その大きな理由は、カメラ翻訳機能を使えるようにするには翻訳機本体にカメラを搭載することが必要で、カメラを搭載すると翻訳機の本体が大きく、重くなってしまうからです。
もう一つの理由は、そもそも音声翻訳機にはカメラ翻訳機能はあまり必要ないものだからです。
翻訳機や翻訳アプリは、外国人とコミュニケーションをとるためのものですが、スムーズなコミュニケーションのためには、外国人と会話をする必要が生じたとき、「相手をなるべく待たせずに瞬時に使う」ことができなければいけません。翻訳アプリがあっても音声翻訳機が必要なのはこのためです。スマホの翻訳アプリの場合は、「スマホを取り出しアプリを起動して翻訳を始める」という一連の手間が生じますが、音声翻訳機は音声を翻訳することに特化したつくりになっているため、ボタン一つですぐに翻訳が始められるようになっています。
一方、カメラ翻訳機能は文書や看板、メニュー表などどこかに書かれている文字を翻訳するための機能で、翻訳する場合に相手を待たせてしまうことをあまり気にする必要はありません。スマホを取り出して翻訳アプリを起動し、カメラ翻訳をする時間は十分にあるので、スマホを持っている方であれば「Google翻訳」などスマホの翻訳アプリで利用できるカメラ翻訳機能を使うだけでも十分です。
スマホを持っている方が翻訳機を選ぶ場合は、以上の点を考慮して、カメラ翻訳機能がない分サイズが小さくて機能もシンプルな翻訳機を選ぶか、eTalk 5のようにカメラ翻訳機能がある分サイズの大きい翻訳機を選ぶかを判断してください。
翻訳言語数が多い!
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
eTalk5の翻訳対応言語数は72言語。これはテスプロ株式会社ののMayumi3(85言語)、ソースネクストのポケトークW(74言語)に次いで3番目に多い対応言語数です。対応言語について詳しくはこちら(KAZUNA eTalk5公式サイト)
これだけ対応言語数が多ければ、翻訳したい言語に対応していないということはあまりないと思います。
eTalk5の言語選択画面にはそれぞれの言語が話されている国の国旗も表示されるので、たくさんある言語の中から翻訳したい言語を探しやすくなっています。
ただし言語の並び順はあいうえお順ではなくアルファベット順になっているので注意!日本人がメインで使う分にはあいうえお順の方が探しやすいと思いますので、この点はアップデートで改善していただければなと思います。
CSV出力機能で学習用途にも便利!
eTalk5では、翻訳履歴をCSV出力することができます。
CSV(ファイル)とは、ExcelやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトなどで開くことのできる表形式のファイルです。
「しゃべって翻訳」画面の右上にある
マークをタップすることで、翻訳履歴をCSV形式で保存できます。eTalk5をPCに接続してCSVファイルを転送すれば、Excelやスプレッドシートなどで翻訳履歴を表示することができますので、このデータを学習に利用したり、アルファベットではないため通常PCで入力することが難しい言語(例:韓国語、アラビア語など)をコピー&ペーストで入力したりすることも可能になります。
詳しい説明書付き
地味にうれしいのがこの点。eTalk5には操作・設定方法が詳しく解説された説明書がついてきます。
最近は翻訳機やスマホを購入してもほとんどの場合マニュアルはインターネットで参照するようになっています。でも、そもそも説明書を必要とするのはPCなど電子機器の操作やインターネットなどがあまり得意でない方である場合が多いので、そんな方々にとってはインターネットでマニュアルを参照すること自体とても難しいことです。
でもeTalk5なら詳しい説明書がついているので、操作で分からないことがあっても大抵のことは説明書を見れば解決できます。
説明書を見ても分からないことがあれば、メールサポート(support@takumi-jpn.com)が利用可能です。
eTalk5のデメリット(注意点)
他の翻訳機と比較して、eTalk5のデメリットと言えるのは以下の2点です。
- サイズが大きい
- 翻訳専用グローバルSIMの通信容量が少なすぎる
- オフライン翻訳精度が低い

サイズが大きい
eTalk5の一番のデメリットは、サイズが大きいことです。(eTalk5のサイズについてはこちら)
ポケトークWなど一般的な翻訳機と比較してかなりサイズが大きく、スマホと同じくらいの大きさがあります。
本体が大きい分画面も大きくて見やすいというメリットもありますが、海外旅行中さっと取り出せるようポケットに入れておく、またはストラップで首にかけておくといった使い方をするには、ちょっと大きすぎる印象です。
グローバルSIMの通信容量が少ない
※KAZUNA eTalk5公式サイトより
eTalk5とセットで購入できる「翻訳専用グローバルSIM」の通信容量はかなり少ないです。
「翻訳専用グローバルSIM」は、利用開始から2年間5,000円で利用できますが、2年経過しなくても10万秒分翻訳できるデータ通信を使い切ったらその時点で使えなくなります。(チャージをすれば再度利用は可能です)
10万秒は分に直すと1,667分、時間に直すと28時間弱ということで、もし毎日使ったとすると1日2分20秒ほどしか使えない計算です。
よほどヘビーに使う人でなければ、恐らくこのデータ量でも十分足りるだろうとは思いますが、具体的に何GBまたは何MB使えるなどの情報も明らかにされていないため、かなり不透明で不安が残ります。
ちなみにポケトークW専用グローバルSIMは、eTalk5のグローバルSIMと同様2年間5,000円で使えますが、データ量は2年間無制限で利用できます。1日100MB以上使うと、当日の通信速度に制限がかかりますが、100MBはポケトークで約15時間翻訳した場合の通信量に相当するデータ量です。
単純計算すると、eTalk5のグローバルSIMで2年間に使えるデータ量(10万秒)はポケトークWのグローバルSIMで2日間に使えるデータ量(15時間×2=30時間×60分×60秒=10万8,000秒)より少ないということになります…
eTalk5ではテザリングができるので、使えるデータ量を多くするとテザリングでデータ通信を使われ過ぎてしまい採算が取れなくなるという事情もありそうですが、これではあまりにもケチ(言葉が悪くすみません…)な印象を受けてしまいます。せめて、1日、または1カ月何MBまで使えるのかということだけでも公開していただければなと思います。
オフラインの翻訳精度が低い
オフラインでも(インターネットに接続しなくても)翻訳できるというのがeTalk5の大きな特徴の一つですが、肝心のオフライン翻訳精度はかなり低く、使い物にならないと言ってもいいレベルです。※翻訳精度比較はこちら
eTalk5をWiFiのない場所でも使いたいようであれば、必ずSIMを入れてネット接続して使うことをおすすめします。
まとめ
以上、KAZUNA eTalk 5の詳細レビューでした。


デメリットもいくつかご紹介しましたが、基本的にeTalk5は翻訳精度が高く、他の音声翻訳機にはない機能も利用できる良い翻訳機です。
とくに、スマホを持っていない、あるいはスマホに翻訳アプリをダウンロードするなどの作業が難しくてできないという方にはおすすめです。
eTalk5にはカメラがついており(写真は撮れません)、通常スマホの翻訳アプリでしか使えない「カメラ翻訳」が利用できるので、会話以外にも看板やメニュー表、紙に書いてある文字を翻訳したい…という場面でも役立ちます。
画面表示も分かりやすいので、普段あまりスマホなどのタッチパネルの操作に慣れていない方でもそれほど苦労せずに使いこなせると思います。
eTalk5の価格は?
- 本体のみ:24,880円(税別)
- グローバルSIM同梱版:29,880円(税別)
